サンマは北太平洋の表層に広く分布し、群れを作って行動します。春から夏にかけて餌を求めて北上すると、秋には産卵のために南下する回遊魚です。細長い体と鋭く尖った口先をもち、小型の甲殻類やプランクトンが主な餌になります。寿命が2年ほどと短いこともあり、多様な場所で産卵を行うことが生存戦略と考えられています。
本試料は、株式会社NHKエンタープライズ 様のご依頼で、NHK Eテレ「ギョギョッとサカナ★スター」の企画としてCTスキャンを実施しました。
「ギョギョッとサカナ★スター」番組HP:
https://www.nhk.jp/p/ts/P58QMGP4K1/
CTスキャンでは、体の中央付近に並ぶ細く鋭い小骨がはっきりと確認でき、身を支えると同時に外敵への防御にも役立っていることがわかりました。腹部には浮き袋を保持するための空間が見られ、遊泳中の浮力調整を可能にしています。尾先はV字型に広がる骨格構造を持ち、水を効率よくとらえて推進力を生み出すように発達していることがわかります。