株式会社JMC
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No.44 シャコ

Mantis shrimp

試料外寸 - X:153mm Y:63mm Z:36mm
測定装置 - phoenix nanotom m
電圧 - 140kV
電流 - 100µA
ボクセルサイズ - 60.0µm
株式会社NHKエンタープライズ 様
3Dデータの操作方法
3DデータはWeb用に
ポリゴン数を削減しています。

シャコはシャコ科に属する甲殻類で、熱帯から温帯の浅い海底に広く分布しています。日本近海でも広く見られ、大阪湾では水深10~20mの泥底に巣穴を掘って単独で生活しています。体長は一般的に10~20cmほどで、細長い体と、節ごとにくびれた独特の姿が特徴です。
シャコの最大の特徴は「捕脚(ほきゃく)」と呼ばれる前脚で、種類によって“スピア型”と“スマッシャー型”に分類されます。今回スキャンした個体はスピア型で、鋭いトゲを持つ前脚を素早く突き出すことで、ゴカイや小魚などの柔らかい獲物を貫いて捕らえます。その動きは非常に高速で、水中の濁りや暗がりでも正確に獲物を捉えることができます。

本試料は、株式会社NHKエンタープライズ 様のご依頼で、NHK Eテレ「ギョギョッとサカナ★スター」の企画としてCTスキャンを実施しました。
「ギョギョッとサカナ★スター」番組HP: https://www.nhk.jp/p/ts/P58QMGP4K1/

CTスキャンでは、捕脚の基部に複雑な関節と筋肉構造が確認され、シャコが高速で攻撃するための力学的な仕組みが見て取れます。また、外骨格は薄くても強度が高く、節ごとに分かれた腹部構造や、体幹に沿って通る消化管、遊泳脚の基部に存在する鰓の構造も捉えられました。