ウナギ目ウツボ科の海水魚で、日本では本州西部から九州・沖縄の浅海の岩礁地帯に生息しています。今回スキャンを行った個体は高知県で捕獲されました。成魚の体長は一般的なもので80cmほど。食性は肉食で、鋭くとがった歯を持ち、甲殻類や貝、小魚、タコなどを捕食します。日本では一部の地域で食用として親しまれています。
骨格の3Dモデルは100を超える脊椎骨や肋骨が並びます。頭骨からは、顎に沿って並ぶ鋭利な歯の内側にも大きな歯があることが観察できます。喉の奥には、第二の顎である咽頭顎(いんとうがく)も確認することができますが、捕獲した際の影響か形状は崩れてしまっています。また、消化管内には直前に捕食された小魚の骨格がそのまま残っている様子が捉えられています。