ミンミンゼミの幼虫は、地中で5~6年間にわたり成長し、夏の夕方に羽化を行います。幼虫は地中で木の根から樹液を吸い、5回の脱皮を経て成熟します。成熟すると、地上に出て木に登り、成虫として羽化します。
株式会社バンダイ様 「いきもの大図鑑」:https://gashapon.jp/dangomushi/special/adv_robust_cicada/
今回CTスキャンした個体では、背中の一部が割れ、成虫の体が少し出ている状態で羽化が途中で中断されています。スキャン画像では、内部に成虫が確認でき、各部位がまだ抜け殻よりも一回り小さいことがわかります。羽もまだ殻に覆われており、完全に外に出るまでには至っていません。
特に、上から見た画像では、ウエスト部分が殻に引っかかっているため、脱皮が難しい作業であることが想像できます。この状態から、外皮の硬化や環境条件が、羽化の成功を妨げた可能性が考えられます。