熱帯から温帯の深い海に生息するキンメダイ科の魚で、日本では伊豆諸島や琉球列島などで見られます。体は鮮やかな赤色で、大きな目は深海の薄暗い環境でわずかな光を捉えるのに適応しており、夜行性の生活に役立っています。エビスダイは群れを作らず、単独または少数で行動することが多く、小型魚や甲殻類を主な餌としています。
本試料は、株式会社NHKエンタープライズ 様のご依頼で、NHK Eテレ「ギョギョッとサカナ★スター」の企画としてCTスキャンを実施しました。
「ギョギョッとサカナ★スター」番組HP:
https://www.nhk.jp/p/ts/P58QMGP4K1/
CTスキャンでは、鋭く発達した背びれと腹びれの棘が明瞭に確認でき、外敵から身を守る防御構造を備えていることがわかります。強度のある背骨は湾曲しながらも規則正しく連なり、深海での持続的な遊泳を可能にしています。これらの特徴は、暗く高圧な環境で生き抜くエビスダイが、捕食と防御の両面で進化してきたことを示しています。